2010年 05月 13日
Sちゃん食堂から、新装なったKとりやへ
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何故この日曜日、そうなったのか。今ではまったく覚えていない。閣下と私はS丸子のSちゃん食堂で昼酒を楽しんでいた。ほぼ満席状態。辛うじて見つけた席に並んで座り、餃子や煮込み、奴やお新香といったところで、生ビールからハイボールへと展開していた。しばらくすると、一番厨房に近いテーブルに空きが出来たので、そちらに移る。そしてハイボールを飲み続ける。その頃になると携帯が鳴る。愚息からだ。どこにいるのか、何時に帰ってくるのかと詰問される(苦笑)。閣下は閣下で日曜日のお決まり、家鍋に備えなければならない。家鍋があるのにSちゃん食堂にいるところが呑み助の呑み助たる所以である。
このまま食堂で飲み続けるのは、ちょっとまずい。いろいろな側面でね。しかし、スッと帰ってしまうのは物足りない。もう少し背徳の酒を楽しみたい。
「Jが丘のKとりやに行ってみますか」と閣下に言ってみる。閣下の心の中で、家鍋との天秤が激しく揺れる。そしてもちろん、閣下は誘惑に負ける。
そこで私たちは、食堂を出る。まだ明るい。それがいいのだ。今からJが丘に出るとちょうど開店時間くらいだ。新装なったKとりや。どうなったのか、K田の後にちょっと見ただけで、興味津々である。
Kとりやはガラス戸になっていた。中の様子が外からよく見える。昔は確かに引き戸を開ける勇気がいった店だった。古めかしいし、中は見えないし。私も最初はそうだった。そして初めて戸を引いた時、勝手に思い描いていた店とはまったく違っていたことをよく覚えている。
そして焼き方の短パン髭オヤジさんと、それ以外を担う長身痩躯のちょっとクセのある兄さんの他に、なんと女性店員がいた。こりゃ、驚きだ。
「かしら、なんこつ」と閣下が注文する。私はハツだかなんだかをお願いしたか。
飲み物はウーロン割。ここは兄さんの匙加減でK宮が濃くてよかったのだが、その辺も抑制が効いてしまった感がある。特に女性店員がつくると物足りない。
しばらくすると、女性店員が私に向かって「知り合い?」と聞いてくる。何が何だか、まったく分からない。何をいっているのかと思ったら、ガラス戸の外に中年の女性が立っていて、こちらに何か話しかけている。が、声は聞こえない。
「全然、知りませんよ」と答える。
閣下や(もちろん知るはずもない)、二席空けてカウンターの角向こうに座るおじさんもまるで心当たりがない。
すると、その女性が店に入ってくるではないか。当然のことながら、客たちは誰も相手にしない。
女性店員が、話しかける。
「何か、飲まれますか?」
彼女は訳の分からないことを言っている。完全に酔っぱらっているらしいのだが、それだけではない危険な周波を発している。
最終的には、ビールを要求した格好になったが、
「お金はありますか」と聞いた女性店員に「ない」と答える。
「すみません、お金のない人は飲めないのよ」と彼女は諭される。
「あ、そう。飲むなってことね」とちょっと彼女は腹を立てる。
「ここはお金がないと飲めないのよ」ともう一度女性店員が相手をする。
しかし、彼女はその場を動こうとはしない。
そこで、女性店員がカウンターの中から出てきて彼女を店外へ誘う。
夕暮れ時の街に、彼女は千鳥足で紛れていく。次はどの店に紛れ込もうとするのだろうか。
思わぬ余興が去った後で、我々も潮時を迎える。ここから二人で、さも酔っていない顔をして帰らねばならない。そのためにもこのくらいにしておかねば。平和が一番である。
ごちそうさま。
このまま食堂で飲み続けるのは、ちょっとまずい。いろいろな側面でね。しかし、スッと帰ってしまうのは物足りない。もう少し背徳の酒を楽しみたい。
「Jが丘のKとりやに行ってみますか」と閣下に言ってみる。閣下の心の中で、家鍋との天秤が激しく揺れる。そしてもちろん、閣下は誘惑に負ける。
そこで私たちは、食堂を出る。まだ明るい。それがいいのだ。今からJが丘に出るとちょうど開店時間くらいだ。新装なったKとりや。どうなったのか、K田の後にちょっと見ただけで、興味津々である。
Kとりやはガラス戸になっていた。中の様子が外からよく見える。昔は確かに引き戸を開ける勇気がいった店だった。古めかしいし、中は見えないし。私も最初はそうだった。そして初めて戸を引いた時、勝手に思い描いていた店とはまったく違っていたことをよく覚えている。
そして焼き方の短パン髭オヤジさんと、それ以外を担う長身痩躯のちょっとクセのある兄さんの他に、なんと女性店員がいた。こりゃ、驚きだ。
「かしら、なんこつ」と閣下が注文する。私はハツだかなんだかをお願いしたか。
飲み物はウーロン割。ここは兄さんの匙加減でK宮が濃くてよかったのだが、その辺も抑制が効いてしまった感がある。特に女性店員がつくると物足りない。
しばらくすると、女性店員が私に向かって「知り合い?」と聞いてくる。何が何だか、まったく分からない。何をいっているのかと思ったら、ガラス戸の外に中年の女性が立っていて、こちらに何か話しかけている。が、声は聞こえない。
「全然、知りませんよ」と答える。
閣下や(もちろん知るはずもない)、二席空けてカウンターの角向こうに座るおじさんもまるで心当たりがない。
すると、その女性が店に入ってくるではないか。当然のことながら、客たちは誰も相手にしない。
女性店員が、話しかける。
「何か、飲まれますか?」
彼女は訳の分からないことを言っている。完全に酔っぱらっているらしいのだが、それだけではない危険な周波を発している。
最終的には、ビールを要求した格好になったが、
「お金はありますか」と聞いた女性店員に「ない」と答える。
「すみません、お金のない人は飲めないのよ」と彼女は諭される。
「あ、そう。飲むなってことね」とちょっと彼女は腹を立てる。
「ここはお金がないと飲めないのよ」ともう一度女性店員が相手をする。
しかし、彼女はその場を動こうとはしない。
そこで、女性店員がカウンターの中から出てきて彼女を店外へ誘う。
夕暮れ時の街に、彼女は千鳥足で紛れていく。次はどの店に紛れ込もうとするのだろうか。
思わぬ余興が去った後で、我々も潮時を迎える。ここから二人で、さも酔っていない顔をして帰らねばならない。そのためにもこのくらいにしておかねば。平和が一番である。
ごちそうさま。
by mesinosuke
| 2010-05-13 12:24
| ▷motuyaki