2006年 09月 20日
昔住んでいたあの街で一献 Rくよう
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で、徒歩で家を出た。昔住んでいたHの台を目指すのだ。途中で、以前の家の前を通っていこう。どうなっているだろう。身体にうっすらと汗が滲んで、Hの台にさしかかる。昔住んでいた家は、まだそのままの風情であった。周囲の景色は少し変わっていたけれども。
N原街道を渡って、商店街の中へ入っていく。どうやら祭りらしい。ややや、こういう日は休んでしまう個人商店も多いのだが、大丈夫だろうか。
その店は、やっていた。Rくよう。AE86さんおすすめの店である。ふふふ。
さて、店に入ることにしよう。
「やってらっしゃるんですか」
「どうぞ、どうぞ」
「どこでもいいですか」
「お煙草は?」
「吸いません」
「じゃあ、カウンターどうぞ」
そうか、カウンターは禁煙なのだ。一番ドアよりのカウンターに腰掛ける。もちろん日本酒を飲みに来たのが、歩いてきたので、どうしても最初に一杯はビールが飲みたい。しかしジョッキは多い。
「最初にビールが少し飲みたいんですけど。小さなグラスでもらってもいいですか」
「このくらいのグラスにします?」とご主人がふつうのコップを手に取って見せてくれる。ややや、それは少ないかも知れない。ということでビールグラスでもらうことにした。お通しが出てくる間に半分くらい飲み干してしまう。
お通しは、じゅんさいの上に海胆が乗ったもの。ポン酢のきいた出汁で食べる。なかなか旨い。さて、お酒にしよう。カウンターの上の方に貼りだしてあるお酒のラインナップを見る。
「A野、ください」
升の中に小ぶりのぐい飲みを置いて、そこにお酒を注ぐスタイル。高知県の有光酒造の酒だそうだ。今まで全く聞いたことがなかったので選んでみた。純米吟醸 無濾過生原酒。ふふふ。いやあ、旨い。こりゃ、いいや。
「お刺身をもらいましょうか。あいなめを」
淡泊な刺身を噛みしめる。山葵の香りといっしょに白身の甘さがほんのり口中に広がる。それなりに脂もある。そこに旨口の酒を含む。いやあ、応えられない。ゆっくりと、ゆっくりと楽しむ。
Rくようらしい酒肴として、トマトを出汁で煮たもの(メニュー名は失念)を頼んだ。トマト好きなので、メニューにトマトがあれば、たいてい頼んでみるのだ。これがまた旨かった。あっという間に平らげてしまった。続いて、蓮根焼き。すると、鰹節を削りだした。お、どうするのだと思っていると、削り節を小鉢に。そこに醤油を入れて、それで蓮根を焼いている。いいですねえ。この日、なぜか蓮根焼きを頼む人がけっこういた。人気メニューなのだろうか。
さらに、生こんにゃくなどを頼んだ。これは実はKでも食べたことはあったのだが、仕入れているこんにゃくが違うようで、圧倒的にRくようのものの方が美味しかった。危うくおかわりをしてしまいそうになった。
さて、お新香をもらって、One for the Roadだ。
「A吹、私のストライクゾーンだったんですけど、せっかくだから、敢えて違う一杯っていったら、なんでしょう?」と聞いてみる。
「そうですねえ」としばし考えるご主人。
「亀泉、いってみますか」
個性豊かな味と香りと評されている、甘めのお酒だとのことだ。
「じゃあ、それを半分っていいですか」
「はい」
半分のオーダーをすると、升の中にグラスを置いて、そこに注いでくれた。これは確かに、甘めである。最初に飲むとくどいかも知れないが、最後に半分くらいというのはなかなかいい飲み方かも知れない。 高知県工業技術センターが開発した酵母CEL-19を使っているのだそうだ。フルーティな一杯。なかなかよかった。
Rくようは、よかった。Kとは違うラインナップ。ご主人の雰囲気。また、行きたくなるお店だ。でもね、若いグループがウーロン杯ばかり飲んでいたりした。これだけ美味しいお酒を置いているのに、もったいないね。「うちは、日本酒専門店じゃないですから」とご主人は言っていたけど。
ごちそうさま。
日本酒に関する以前の記事はこちら>>>「やっと入れたKで 日本酒を堪能する」
2005年の今日の記事はこちら>>>「房総に、地魚盛りを喰らう」
2004年の今日の記事はありません。
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by mesinosuke
| 2006-09-20 13:28
| ▷washoku