2006年 10月 23日
ご主人と長いこと話し込んだ Iおかの一献
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引き戸を開けると先客はなし。ご主人が迎えてくれる。
「どうされたんですか?」
とここでも私の様子を見て、聞かれた。
ここのところ、一か月ばかり繰り返し説明してきたフレーズを
できるだけ手短に繰り返す。
ややあって奥さんが奥から出てくる。過日、路上で奥さんとお目にかかったが、一瞬誰だか分からない。Iおかというシチュエーションであうから瞬く間に認識できるのであって、会うと思っていない場所で出くわすと、あれ?という感じである。
「きょうは、休みを取ったんで、ビールをもらいます」
「小瓶、いれましたけど」
「そうですか、じゃあ、小瓶で」
前は中瓶しかなくて、小瓶があったらなあと話した記憶がある。
「おまちどうさまでした」という二人のハーモニーに乗って、
小瓶が運ばれてくる。鰊の乾物を炊いたお通しといっしょに。
「南蛮漬けと砂肝なら、お出しできますけど」とご主人。
「お願いします」
それらのつまみが並ぶと、俄然、日本酒が飲みたくなる。
「お酒、ください」
「常温で?」
「ええ、常温でお願いします」
ちびりちびりと猪口を口に運ぶ。ゆっくりとお酒が染みていく。
このひとときが何ともいえない。
「あの、鴨スモークの」
「ええ」と奥さん
「大根が添えられてるじゃないですか。その大根だけ、もらえませんか」
「は〜い、かしこまりました」
これ、前からお願いしてみたかったのだ。そして正解なのだ。いいつまみになる。
飲みながら、ご主人といろいろな話をする。新蕎麦の割合、M蔵野の話、蕎麦屋になろうと思ったきっかけ、ご実家のこと、前職について……。
おっといけない。もうこんな時間だ。きょうは、午後早めには帰らないと。今日の昼酒はこの辺で。最後におろしそばを。
「かしこまりました」
やがて、静かな店内に大根をおろす音が響いてくる。
「おまちどうさまでした」
小ぶりの椀に、おろしに海苔に鰹節がトッピングされている。
そこに檸檬をツイストして食べる。蕎麦に檸檬を搾るというのは
ここ以外では食べたことがない。
これがまた、実に旨いのだ。
なかなか頃合いのよいひとときだった。
ごちそうさま。
Iおかに関する以前の記事はこちら>>>「定番をIおかで」
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by mesinosuke
| 2006-10-23 19:38
| ▷soba