2007年 01月 22日
一日一組限定 泊まれる鮨屋へ
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今年も思い立ってC倉に出かけた。ガラス作家のO場氏の工房を訪ねる毎度お馴染みの旅である。昨年は驚いたことに雪だったが、今年は暴風だった。アクアラインは四十キロ規制。二台前を走っていた観光バスが追い越し車線から左車線へ風で振られたのには驚いた。慌ててバスを抜いてしまう。
この旅では、いつもO場氏にいろいろ教えていただいて、行き先が決まる。去年までは大概、T鮨に行って漁師握り(地魚盛り)を食べていたのだが、今年はちょっと前に教えてもらったIじまに予約を入れた。一日限定一組。海を見ながら鮨をつまめるというのだから、贅沢である。残念ながら夜の予約が取れなかったので、昼に行くことにする。
とある小さな灯台のそばに、まるで普通の一軒家のようにIじまはあった。しかし凄い風で、クルマのドアがなかなか開かない。波頭が暴風に千切られて飛んでくる。ようやく店内へ。
さて、掘り炬燵のように座れる設えのカウンターに腰を下ろす。ご主人は予想に反して年配の方だ。予約のやりとりのときも、できればお酒と一緒に食してほしいとやんわり意向を伝えられていたのだが、やはり運転手の私は遠慮することにした。すると
「なんなら、私が運転して宿までお送りしましょうか」
とまで言っていただいたのだが、昼食後にすぐチェックインするというのも味気ない。この後は温泉でのんびりする予定なのだ。と予定を話してお酒を固辞する。その代わり家人がお酒をもらう。
さて、スタートは河豚の煮こごりと刺身である。煮こごりはほんのりと柚子が利いていて旨い。愚息は、この柚子風味というやつが苦手で私が引きうけることに。しかしこの年で河豚を食すとは贅沢な話だ。
抓みを平らげると握りが三貫と卵焼きが出てきた。この卵焼きは牡蠣を閉じ込んである。仄かに温かく磯の風味が立ち上ってくる。これが旨い。卵はあまり食べられないのだが、これはいい。小ぶりの握りは槍烏賊となんだっけなあ。あっという間に食べてしまう。
ここで、唐揚げがど〜んと出てきた。鬼カサゴである。これは凄い。
「鬼カサゴはなかなか手に入らないんですよね」とご主人。
どうやらO場氏の紹介と言うことで、特別に用意してくれたらしい。これがもうホクホクで旨いのなんのって。なぜ、私はお茶を飲んでいるのか!! 海に向かって叫びたいのである。
鰭のやわらかそうなところは食べてしまい、硬い部分はしゃぶった。真似をしていた愚息が口の中を切ったのが余計だったけど。
この後は一貫ずつ握りが供された。目の前に鮨がくるとすぐにつまんでしまい、写真を撮るのをずいぶん忘れた。蛸は、ご主人が東京湾で釣り上げたものだそうだ。ご主人は釣り好きが高じて、ここに鮨屋を出したのだとか。仕入れと釣果によってネタが決まっていくというわけだ。蛸は風味豊かで実に旨かった。最後にもう一度握ってもらったほどだ。幾貫かの握りをつまんだところで、奥から奥さんが大きな碗をもって現れた。それは揚げた鮎魚女と野菜を長いものすり流しで汁碗に仕立てたものだ。気持ち濃いめの味ながら、これまた完食。
この後にまだまだ握りが続いた。写真は鰯と鯨だ。鯨を握りで食べるのは初めてだ。大和煮の記憶が蘇る。その他に、鰺も鮪も、鱸の昆布締めも、食べた。いやあ、忘れてしまったのだが、もっともっと食べた。途中愚息が「あと五貫食べる」と宣言。おいおい。払うのはこちらなんだからな。本当に食べられるのか、そんなに。
ご主人は、「あと五貫ね、はい、分かりました」と請け負っちゃってる。
はらはらしたのだが、結論から言うと、何貫食べても値段は変わらなかったのである。
ご主人としてはこちらが飲まなかったので、どうもリズムが掴めなかったようなのだ。そんな話をしていると、実はここは泊まれるのだという。ええ!!、最初から教えてくれれば、他に宿を取ったりしなかったのに。二階の部屋を見せてもらう。民宿のようなものだけど、新築なので非常に綺麗。ユニットバスながらお風呂ももちろんある。
次回は、夜お邪魔しよう。ごちそうさま。
2006、2005、2004年の今日の記事はありません。
□□□きょうの「食」ヘッドライン・ニュース□□□
「あるある大事典」苦情・意見2800件
(アサヒ・コムから)
この旅では、いつもO場氏にいろいろ教えていただいて、行き先が決まる。去年までは大概、T鮨に行って漁師握り(地魚盛り)を食べていたのだが、今年はちょっと前に教えてもらったIじまに予約を入れた。一日限定一組。海を見ながら鮨をつまめるというのだから、贅沢である。残念ながら夜の予約が取れなかったので、昼に行くことにする。
とある小さな灯台のそばに、まるで普通の一軒家のようにIじまはあった。しかし凄い風で、クルマのドアがなかなか開かない。波頭が暴風に千切られて飛んでくる。ようやく店内へ。
「なんなら、私が運転して宿までお送りしましょうか」
とまで言っていただいたのだが、昼食後にすぐチェックインするというのも味気ない。この後は温泉でのんびりする予定なのだ。と予定を話してお酒を固辞する。その代わり家人がお酒をもらう。
さて、スタートは河豚の煮こごりと刺身である。煮こごりはほんのりと柚子が利いていて旨い。愚息は、この柚子風味というやつが苦手で私が引きうけることに。しかしこの年で河豚を食すとは贅沢な話だ。
ここで、唐揚げがど〜んと出てきた。鬼カサゴである。これは凄い。
「鬼カサゴはなかなか手に入らないんですよね」とご主人。
どうやらO場氏の紹介と言うことで、特別に用意してくれたらしい。これがもうホクホクで旨いのなんのって。なぜ、私はお茶を飲んでいるのか!! 海に向かって叫びたいのである。
鰭のやわらかそうなところは食べてしまい、硬い部分はしゃぶった。真似をしていた愚息が口の中を切ったのが余計だったけど。
ご主人は、「あと五貫ね、はい、分かりました」と請け負っちゃってる。
はらはらしたのだが、結論から言うと、何貫食べても値段は変わらなかったのである。
ご主人としてはこちらが飲まなかったので、どうもリズムが掴めなかったようなのだ。そんな話をしていると、実はここは泊まれるのだという。ええ!!、最初から教えてくれれば、他に宿を取ったりしなかったのに。二階の部屋を見せてもらう。民宿のようなものだけど、新築なので非常に綺麗。ユニットバスながらお風呂ももちろんある。
次回は、夜お邪魔しよう。ごちそうさま。
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by mesinosuke
| 2007-01-22 14:00
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