2007年 02月 07日
美味しいご飯に沈黙するカップル T福
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以前、この店でO村孝子にあった。のはどうでもいいことだが、この日のお昼はここでとることに。店外の椅子でしばし待ったが、思ったほど待たされずに席へ。
メニューにはお昼の献立が並んでいる。いずれもちょっと多いのだが、仕方がないので家人と私は「焼き魚献立」なるものを。愚息には、とメニューを見るのだが、以前食べた生卵のセットがない。そこで店員に聞いてみることに。
「生卵のついたご飯セットがあったと思うんですが、お昼は出してないんですか」
「ええ、お昼はこちらのメニューだけになりますけど、もしご希望でしたら普通のご飯セットに単品で生卵をおつけしますが」
それだ。
メニューが決まってお茶をすすっていると、私の左隣にいるカップルが沈黙している。男は腕を組んで下を向いたまま寝ている風情である。女は、お店の様子をぼんやり眺めている。
ややあって、彼らに焼き魚献立がサーブされる。食べ始める二人。が、しかし、女はすぐに箸をとめてしまう。男は黙々と食べている。少し涙ぐんできた女。
その頃、私たちのテーブルにも続々と献立が運ばれてくる。ご飯はおかわり自由である。愚息は卵かけご飯に張り切っている。まず、醤油をご飯に直接かける。そこに溶いた卵を入れる。すると、醤油を卵に入れてしまったときより、グンと卵の甘みを感じることができる。コントラストが利いて、引き立つのだ。
「卵、全部かけちゃっていいの?」
「お代わりは、ふりかけで食べる」
そうなのだ。自家製ふりかけが各テーブルにあって、それも自由に食べられる。
私たちの献立も盛りだくさんなのだが、実は肝心の魚がそんなには美味しくなかった。乾いてしまっているのだ。これならご飯セットでも良かったな。
愚息の食べっぷりに呆れていると、お代わりだという。店の人に頼むのだが、茶碗をもっていったまま、しばし忘れられてしまう。催促すると、三つのうちの、真ん中の竈からご飯を盛ってくれる。子どものご飯を一口分だけ横取りしてみる。なんと最初の一杯よりよっぽど旨く炊けている。これは旨い。
さて、件の彼女。ぼそっと彼に話しかける。
「あんな言い方をされたら、誰だって傷つくわ」
男は、彼女が怒っている訳に初めて気づいたごとく、頭を折れんばかりに垂れて沈黙している。
こちらはあらかた食べ終えて、そろそろだなというところで、愚息が一言。
「お代わり!」
「ええっ!」
「もう一杯、ふりかけで食べたい」と懇願するので、
「じゃ、半分」とセーブさせて、ご飯をもらう。
すると、件のカップル。
「すみません、お代わり、二つください」
えっ?、どのように場が転換されたのだろう。
しまった、愚息の食い気に気をとられている間に、何かがあったのだ。
この日、O村孝子には出会わなかった。
ごちそうさま。
T福に関する以前の記事はこちら>>>「銀シャリにしびれた Oかまど」
2006年の今日の記事はこちら>>>「二度目のBランドで気持ちのよい朝食を」
2005、2004年の今日の記事はありません。
□□□きょうの「食」ヘッドライン・ニュース□□□
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メニューにはお昼の献立が並んでいる。いずれもちょっと多いのだが、仕方がないので家人と私は「焼き魚献立」なるものを。愚息には、とメニューを見るのだが、以前食べた生卵のセットがない。そこで店員に聞いてみることに。
「生卵のついたご飯セットがあったと思うんですが、お昼は出してないんですか」
「ええ、お昼はこちらのメニューだけになりますけど、もしご希望でしたら普通のご飯セットに単品で生卵をおつけしますが」
それだ。
メニューが決まってお茶をすすっていると、私の左隣にいるカップルが沈黙している。男は腕を組んで下を向いたまま寝ている風情である。女は、お店の様子をぼんやり眺めている。
ややあって、彼らに焼き魚献立がサーブされる。食べ始める二人。が、しかし、女はすぐに箸をとめてしまう。男は黙々と食べている。少し涙ぐんできた女。
その頃、私たちのテーブルにも続々と献立が運ばれてくる。ご飯はおかわり自由である。愚息は卵かけご飯に張り切っている。まず、醤油をご飯に直接かける。そこに溶いた卵を入れる。すると、醤油を卵に入れてしまったときより、グンと卵の甘みを感じることができる。コントラストが利いて、引き立つのだ。
「卵、全部かけちゃっていいの?」
「お代わりは、ふりかけで食べる」
そうなのだ。自家製ふりかけが各テーブルにあって、それも自由に食べられる。
私たちの献立も盛りだくさんなのだが、実は肝心の魚がそんなには美味しくなかった。乾いてしまっているのだ。これならご飯セットでも良かったな。
愚息の食べっぷりに呆れていると、お代わりだという。店の人に頼むのだが、茶碗をもっていったまま、しばし忘れられてしまう。催促すると、三つのうちの、真ん中の竈からご飯を盛ってくれる。子どものご飯を一口分だけ横取りしてみる。なんと最初の一杯よりよっぽど旨く炊けている。これは旨い。
さて、件の彼女。ぼそっと彼に話しかける。
「あんな言い方をされたら、誰だって傷つくわ」
男は、彼女が怒っている訳に初めて気づいたごとく、頭を折れんばかりに垂れて沈黙している。
こちらはあらかた食べ終えて、そろそろだなというところで、愚息が一言。
「お代わり!」
「ええっ!」
「もう一杯、ふりかけで食べたい」と懇願するので、
「じゃ、半分」とセーブさせて、ご飯をもらう。
すると、件のカップル。
「すみません、お代わり、二つください」
えっ?、どのように場が転換されたのだろう。
しまった、愚息の食い気に気をとられている間に、何かがあったのだ。
この日、O村孝子には出会わなかった。
ごちそうさま。
T福に関する以前の記事はこちら>>>「銀シャリにしびれた Oかまど」
2006年の今日の記事はこちら>>>「二度目のBランドで気持ちのよい朝食を」
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by mesinosuke
| 2007-02-07 18:56
| ▷washoku