2007年 10月 30日
i氏に呼び出されたR来軒で妄想話
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i氏から電話がかかってくる。
「明日、昼。R来軒だ」
「いいんですか、R来軒で」
「海老雲呑だ」
と、電話が切れる。
翌日。R来軒の四人掛けテーブルにi氏はいた。
「悪い知らせだ。後にしよう。何を食べるんだ。好きなものを頼み給へ。
ただし、私と同じものはやめておけ。他にどんな品があるのか、知りたいからな」
「塩味の中華丼にします」
「少しは考えなくていいのか」
「大体知ってますから」
i氏はメニューを手に取る。
「デフォルトは、醤油味ですよ、中華丼は」
なにぃっ という表情を一瞬見せるi氏。
「何故に、塩味にする?」
「醤油味だと、ほんのりと甘いんですよ。それで」
そこへいつものおばちゃんが通りかかる。
「あら、ご一緒だったのね」
「(そう、呼び出されたんです)ええ」
「ご注文は?」
i氏がすかさず告げる。
「海老雲呑ソバ」
「海老雲呑 ソバですね」とソバの部分を強調する。海老雲呑というメニューがあるからだ。
「塩味中華丼」と私が告げる。まあ、毎度のことなので、驚かれることもない。
淡々と食事は進む。悪い知らせとは何なのか。一言も触れてはくれない。
仕方がないので、天気の話などをしてみる。大人だから。
Y天寺の話などをしてみる。いま、そこにいるから。
蕎麦の話などをしてみる。お互い蕎麦好きだから。
そうやって、食事を終える。
さて、もはや悪い知らせとお茶しか残っていない。
ついにi氏も年貢の納め時だ。
「実は」と切り出すi氏。
「実は、君に参加してもらった話だが、流れた。この店に入った途端、そういう連絡が来た。残念だ。塩味中華丼がその報酬とはな。ハハハッ」と実に愉快そうだ。
フリーズする私。
「馬鹿者っ! 冗談だ。仕事が流れたのは本当だがな。任せておけ、悪いようにはしない」
「ありがとうございます」
「追加で、餃子でもおごるっていうことでどうだ」
「はぁ? この店には水餃子しかありませんよ」
「馬鹿者っ! 冗談だ。仕事が流れたのは本当だがな。任せておけ、悪いようにはしない」
「本当ですか」
「当たり前だ。KージーKーナーのケーキセットでどうだ」
「ケーキは食べません」
「くそっ」
となかなかお金の話ができないi氏なのだった。彼のこの類の冗談がどこまで続くのか、見極めたい気持ちもあったのだが、昼休みは限られている。そこでこの流れを私の方から断ち切ることにした。
「額は、お任せします。ただし、物納はご遠慮ください」
「それを早く言え。まどろっこしい奴だ」
「で、いかほどで?」
「そんなに話を急くな。秋刀魚はもう食ったか。牡蠣の季節でもあるな」
話はまだまだ迷走するのである。
ごちそうさま。
R来軒に関する以前の記事はこちら>>>「お店の人の目線がちょっと冷たい すご〜く久しぶりのR来軒」
妄想紀行に関する以前の記事はこちら>>>「久々の妄想城南紀行 初めての店に行く編」
2006、2005、2004年の今日の記事はありません。
□□□きょうの「食」ヘッドライン・ニュース□□□
五穀米で55.9メートルの巻きずし作り 岩手・軽米町
(アサヒ・コムから)
「明日、昼。R来軒だ」
「いいんですか、R来軒で」
「海老雲呑だ」
と、電話が切れる。
翌日。R来軒の四人掛けテーブルにi氏はいた。
「悪い知らせだ。後にしよう。何を食べるんだ。好きなものを頼み給へ。
ただし、私と同じものはやめておけ。他にどんな品があるのか、知りたいからな」
「塩味の中華丼にします」
「少しは考えなくていいのか」
「大体知ってますから」
i氏はメニューを手に取る。
「デフォルトは、醤油味ですよ、中華丼は」
なにぃっ という表情を一瞬見せるi氏。
「何故に、塩味にする?」
「醤油味だと、ほんのりと甘いんですよ。それで」
そこへいつものおばちゃんが通りかかる。
「あら、ご一緒だったのね」
「(そう、呼び出されたんです)ええ」
「ご注文は?」
i氏がすかさず告げる。
「海老雲呑ソバ」
「海老雲呑 ソバですね」とソバの部分を強調する。海老雲呑というメニューがあるからだ。
「塩味中華丼」と私が告げる。まあ、毎度のことなので、驚かれることもない。
淡々と食事は進む。悪い知らせとは何なのか。一言も触れてはくれない。
仕方がないので、天気の話などをしてみる。大人だから。
Y天寺の話などをしてみる。いま、そこにいるから。
蕎麦の話などをしてみる。お互い蕎麦好きだから。
そうやって、食事を終える。
さて、もはや悪い知らせとお茶しか残っていない。
ついにi氏も年貢の納め時だ。
「実は」と切り出すi氏。
「実は、君に参加してもらった話だが、流れた。この店に入った途端、そういう連絡が来た。残念だ。塩味中華丼がその報酬とはな。ハハハッ」と実に愉快そうだ。
フリーズする私。
「馬鹿者っ! 冗談だ。仕事が流れたのは本当だがな。任せておけ、悪いようにはしない」
「ありがとうございます」
「追加で、餃子でもおごるっていうことでどうだ」
「はぁ? この店には水餃子しかありませんよ」
「馬鹿者っ! 冗談だ。仕事が流れたのは本当だがな。任せておけ、悪いようにはしない」
「本当ですか」
「当たり前だ。KージーKーナーのケーキセットでどうだ」
「ケーキは食べません」
「くそっ」
となかなかお金の話ができないi氏なのだった。彼のこの類の冗談がどこまで続くのか、見極めたい気持ちもあったのだが、昼休みは限られている。そこでこの流れを私の方から断ち切ることにした。
「額は、お任せします。ただし、物納はご遠慮ください」
「それを早く言え。まどろっこしい奴だ」
「で、いかほどで?」
「そんなに話を急くな。秋刀魚はもう食ったか。牡蠣の季節でもあるな」
話はまだまだ迷走するのである。
ごちそうさま。
R来軒に関する以前の記事はこちら>>>「お店の人の目線がちょっと冷たい すご〜く久しぶりのR来軒」
妄想紀行に関する以前の記事はこちら>>>「久々の妄想城南紀行 初めての店に行く編」
2006、2005、2004年の今日の記事はありません。
□□□きょうの「食」ヘッドライン・ニュース□□□
五穀米で55.9メートルの巻きずし作り 岩手・軽米町
(アサヒ・コムから)
by mesinosuke
| 2007-10-30 19:31
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