2010年 06月 16日
ご機嫌な気分でまたHノ出町方面へ逆戻り。
目指すはあの、Hッピー仙人である。
実は、ここで閣下の過去を無許可で暴かなければ、この物語は進まない。
その衝撃の事実とは..........、
閣下は、信じられないことに「氷男」なのである。
羊男でもなければ、ねずみ男でもない。
氷男なのである。
それは初めて閣下と飲んだ時のことだ。
場所はM蔵K杉のというべきか、S丸子のというべきか分からないがB福。
生ホッピーを喰らおうじゃないかとお誘いしたのだ。
その時、出てきた生ホッピーをみて閣下はこう言ったのだ。
「氷なしか」
むむむ。生ビールに氷は入れないっしょ。
生ホッピーですからね、と思ったのだが、閣下は納得がいかない。
モツ焼きを頬張りながら、生ホッピーを流し込む。
そのたびに閣下は、ジョッキの中に氷がないことを改めて確認し、
憤懣を押し殺している。
ふと閣下がおしぼりで首筋の汗を拭った時、
私には閣下の体が氷でできてることが見えてしまったのだ。
そう、あの透明なキューブ状の氷が煉瓦のように積み重なり、できていたのだ。
「こ、お、り、男!」
私の心のつぶやきが聞こえたのか、閣下がフリーズしている私を見返している。
「あ、いや、生だからうまいっしょ、格別ですよね」
と誤魔化す。
その後、閣下と親しくなるにつれ、閣下のことが少しずつ分かっていった。
閣下は、ある時期、氷の世界の住人だったのだ。
その世界では、林檎売りが声を涸らして林檎を売っている。
テレビは、あまりの寒さに画期的な色になってしまっている。
毎日吹雪、吹雪が吹き荒れる世界だ。
極寒の中で、人の繋がりは具体的な体温を確かめることで築かれる。
だから人々はしきりに指切りを求めるようになる。
閣下はそんな世界から帰還し、閣下としてもう一つの自分を演じている。
そんな閣下と千鳥足(これは主に私の方です、ハイ)でHッピー仙人を目指しながら、
一つ忠告をする。
「三冷ホッピーですからね。よろしく」
「なに心配には及ばない。巡礼に氷などいるものか」と
嘯く閣下。しかし、基本的にホッピー大好き人間の閣下にとって、
それは杞憂に過ぎなかった。
長屋の二階に上がっていくと、スナックのような扉の上に黄色い電飾看板が輝いている。
ホッピー
レモンハイ
Hッピー仙人
おお、ここだ、ここだ。
重たいドアを開けると、ゆるいカーブを描いたカウンターにHッピー飲みが集まって満席。
一応二人だということを告げてみる。
「席が空くまで、立ち飲みでよければ」
ということでみなさんの後ろで、サーバーから注がれたホッピーをもらう。
すると驚いたことに、みなさんで乾杯してくれるではないか。
何だか、嬉しいぞ。みなさんとジョッキを合わせて、その勢いで生ホッピーをぐびりっ!
いやぁ、こりゃ旨い。B福で飲んだ生ホッピーとはレベルが違うぞ。
私史上、最も旨いホッピーだ。
閣下も、氷がないことなどまったく意に介さず、ご満悦。「旨い」!
しばらくすると、私たちの前に座っていた先客がお勘定。
先ずは閣下に座ってもらう。あまり立たせていると、溶けてしまうかも知れないからだ。
そういえば、靴擦れもしてたっけ?
と、閣下の右隣の穏やかな紳士は、ややや、もしや、なんと、浜田信郎さんではないか。
いや、間違いない。いやぁ、どうしよう。なぜだか勝手に緊張するなぁ。
普段の私なら、決してそんな勇気はないのだが、
その時点でけっこう酔いが回っていたのだろう。
なんと浜田さんに話しかけてしまったのでR。ヤバイ.........
そして次々に入ってくる立ち吞みさんたちのスペースをつくり出すべく、
少しずつずれている時にその事件は起きた。
何と私は、浜田さんの後ろから隣の女性の後ろの辺りに
ダイブするように倒れてしまったのである。
恥ずかしーーーーーーーー。
私の中ではそれはスローモーションのようだった。
するとすかさず浜田さんが、
「私が大きなカバンをここに置いていたからね」と庇ってくれたのだが、
それは真実ではない。
実は、N毛だけで四軒目の行脚であることに加え、お客さんが入ってくるたびに乾杯を繰り返したしっぺ返しなのか、私の足が溶けてしまっていたのである。その証拠に浜田さんの鞄があったことなどまるきり分からなかったのだ。私はもしかすると、閣下が放つ冷気のそばに居続けたことでいつの間にか氷男になっていたのかも知れなかった。
見るに見かねた(というか笑いを堪えた)閣下が席を譲ってくれる。
かたじけない。
とそこで、浜田さんと少しばかりお話しをする。
調子に乗って、寄り道さんのことや、ここっとさんのことなどを話すと、
浜田さんがあれっ?という顔をする。
「もしかして、mesinosukeさんですか?」
「あ、はい」
まずい、面が割れてしまった。さっき転けたことと同じくらい恥ずかしい。
浜田さんとひとしきり、“斜め”写真のことなどを話す。
しばらくして浜田さんがN毛の街へと繰り出していく。
私はどこか興奮していて、閣下にいろいろと説明をする。
さて、飲みに飲んだ。私たちも次の店に行こう。
お勘定を払い、暇を告げると、マスターがショップカードを手渡そうとしてくれる。
いったん外に出ていたのだが、じゃあ、ということで受け取りに戻ろうとした時、
再びの悲劇が起きたのである。
私たちが立ったあとに座った女性お二人に向かって、
またもや私は激しく転けていってしまったのである。
もう、巡礼禁止ものである。もう、できる限り女性に謝って、謝って、謝って、
閣下の後を追いかける。恥ずかしーーーーーーー。
私の首筋に流れたのは、冷や汗なのか、氷解けの水なのか。
ごちそうさま。
目指すはあの、Hッピー仙人である。
実は、ここで閣下の過去を無許可で暴かなければ、この物語は進まない。
その衝撃の事実とは..........、
閣下は、信じられないことに「氷男」なのである。
羊男でもなければ、ねずみ男でもない。
氷男なのである。
それは初めて閣下と飲んだ時のことだ。
場所はM蔵K杉のというべきか、S丸子のというべきか分からないがB福。
生ホッピーを喰らおうじゃないかとお誘いしたのだ。
その時、出てきた生ホッピーをみて閣下はこう言ったのだ。
「氷なしか」
むむむ。生ビールに氷は入れないっしょ。
生ホッピーですからね、と思ったのだが、閣下は納得がいかない。
モツ焼きを頬張りながら、生ホッピーを流し込む。
そのたびに閣下は、ジョッキの中に氷がないことを改めて確認し、
憤懣を押し殺している。
ふと閣下がおしぼりで首筋の汗を拭った時、
私には閣下の体が氷でできてることが見えてしまったのだ。
そう、あの透明なキューブ状の氷が煉瓦のように積み重なり、できていたのだ。
「こ、お、り、男!」
私の心のつぶやきが聞こえたのか、閣下がフリーズしている私を見返している。
「あ、いや、生だからうまいっしょ、格別ですよね」
と誤魔化す。
その後、閣下と親しくなるにつれ、閣下のことが少しずつ分かっていった。
閣下は、ある時期、氷の世界の住人だったのだ。
その世界では、林檎売りが声を涸らして林檎を売っている。
テレビは、あまりの寒さに画期的な色になってしまっている。
毎日吹雪、吹雪が吹き荒れる世界だ。
極寒の中で、人の繋がりは具体的な体温を確かめることで築かれる。
だから人々はしきりに指切りを求めるようになる。
閣下はそんな世界から帰還し、閣下としてもう一つの自分を演じている。
そんな閣下と千鳥足(これは主に私の方です、ハイ)でHッピー仙人を目指しながら、
一つ忠告をする。
「三冷ホッピーですからね。よろしく」
「なに心配には及ばない。巡礼に氷などいるものか」と
嘯く閣下。しかし、基本的にホッピー大好き人間の閣下にとって、
それは杞憂に過ぎなかった。
長屋の二階に上がっていくと、スナックのような扉の上に黄色い電飾看板が輝いている。
ホッピー
レモンハイ
Hッピー仙人
おお、ここだ、ここだ。
重たいドアを開けると、ゆるいカーブを描いたカウンターにHッピー飲みが集まって満席。
一応二人だということを告げてみる。
「席が空くまで、立ち飲みでよければ」
ということでみなさんの後ろで、サーバーから注がれたホッピーをもらう。
すると驚いたことに、みなさんで乾杯してくれるではないか。
何だか、嬉しいぞ。みなさんとジョッキを合わせて、その勢いで生ホッピーをぐびりっ!
いやぁ、こりゃ旨い。B福で飲んだ生ホッピーとはレベルが違うぞ。
私史上、最も旨いホッピーだ。
閣下も、氷がないことなどまったく意に介さず、ご満悦。「旨い」!
しばらくすると、私たちの前に座っていた先客がお勘定。
先ずは閣下に座ってもらう。あまり立たせていると、溶けてしまうかも知れないからだ。
そういえば、靴擦れもしてたっけ?
と、閣下の右隣の穏やかな紳士は、ややや、もしや、なんと、浜田信郎さんではないか。
いや、間違いない。いやぁ、どうしよう。なぜだか勝手に緊張するなぁ。
普段の私なら、決してそんな勇気はないのだが、
その時点でけっこう酔いが回っていたのだろう。
なんと浜田さんに話しかけてしまったのでR。ヤバイ.........
そして次々に入ってくる立ち吞みさんたちのスペースをつくり出すべく、
少しずつずれている時にその事件は起きた。
何と私は、浜田さんの後ろから隣の女性の後ろの辺りに
ダイブするように倒れてしまったのである。
恥ずかしーーーーーーーー。
私の中ではそれはスローモーションのようだった。
するとすかさず浜田さんが、
「私が大きなカバンをここに置いていたからね」と庇ってくれたのだが、
それは真実ではない。
実は、N毛だけで四軒目の行脚であることに加え、お客さんが入ってくるたびに乾杯を繰り返したしっぺ返しなのか、私の足が溶けてしまっていたのである。その証拠に浜田さんの鞄があったことなどまるきり分からなかったのだ。私はもしかすると、閣下が放つ冷気のそばに居続けたことでいつの間にか氷男になっていたのかも知れなかった。
見るに見かねた(というか笑いを堪えた)閣下が席を譲ってくれる。
かたじけない。
とそこで、浜田さんと少しばかりお話しをする。
調子に乗って、寄り道さんのことや、ここっとさんのことなどを話すと、
浜田さんがあれっ?という顔をする。
「もしかして、mesinosukeさんですか?」
「あ、はい」
まずい、面が割れてしまった。さっき転けたことと同じくらい恥ずかしい。
浜田さんとひとしきり、“斜め”写真のことなどを話す。
しばらくして浜田さんがN毛の街へと繰り出していく。
私はどこか興奮していて、閣下にいろいろと説明をする。
さて、飲みに飲んだ。私たちも次の店に行こう。
お勘定を払い、暇を告げると、マスターがショップカードを手渡そうとしてくれる。
いったん外に出ていたのだが、じゃあ、ということで受け取りに戻ろうとした時、
再びの悲劇が起きたのである。
私たちが立ったあとに座った女性お二人に向かって、
またもや私は激しく転けていってしまったのである。
もう、巡礼禁止ものである。もう、できる限り女性に謝って、謝って、謝って、
閣下の後を追いかける。恥ずかしーーーーーーー。
私の首筋に流れたのは、冷や汗なのか、氷解けの水なのか。
ごちそうさま。
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by mesinosuke
| 2010-06-16 14:24