2008年 03月 31日
E後屋は最近混んでいる。だから時間をずらしていくのだが、混んでいる。春のこの時期、あまり見かけない人たちがポツリポツリと食べに来る。今日も、そんな一人がいた。歳は二十代後半から三十そこそこくらい。真ん中分けのストレートヘアは耳たぶから五センチほどの長さまで伸びている。スラックスに白のワイシャツ。ネクタイはしていない。この出で立ちからすると、流れ者ではないのかも知れない。物静か。特段変わったところはない。そこへおばちゃんが注文の品を運んでくる。ご飯大盛り、味噌汁大盛り、鶏の唐揚げ、野菜炒め、きゅうりと若布の酢の物。ここE後屋ではこれは大変な量である。で、彼はサウスポーだった。ここまでも普通。がしかし、食べ方が凄かった。もの凄いスピードである。しかしながら私が驚いたポイントはそこではない。彼は左手に割り箸を持ったら、あとは何も持たないのだ。これが凄い。ご飯だろうが、味噌汁だろうが、唐揚げだろうが、野菜炒めだろうが、酢の物だろうが、すべて自分の顔を近づけて掻き込むように食べる。おいおい、右手はどこへいったんだ。ハイ、お膝の上です! 髪の毛が食べ物につきそうだよ。あっという間に丼に山となったご飯の半分以上がなくなる。E後屋では味噌汁を大盛りにすると、椀から丼に盛られるようになる。この丼も決して持たない。顔を近づけていって啜るのだ。それが難しくなると、左手でほんのわずかばかり丼を斜めにして啜る。私はこういう輩に出くわすと目が釘付けになる。そして見ているだけで疲れる。ごくろうさま。
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by mesinosuke
| 2008-03-31 19:06
| strange funny story